建築家・飯沼竹一のブログです。暮らしや住まい、家や建築、街などを通して見聞きしたこと、日々感じたこと、考えたことなどを気儘に手記にしています。四方山話も含めて呑気に続けて行こうと思います。 ご意見ご感想などお願いします。
ハンモックのある住まい
先月末の土曜日に、「王子台の家」にお邪魔してきました。
床下暖房の使用感や意見を聞きに行くとともに、1年ほど経ってどのように住まわれている、家主のNさんご一家にインタビューさせていただきました。

外観はまだ1年ということもあり、竣工時とほぼ変わりありませんでした。
家に入ると、かなりキレイに住まわれているのが分かります。お子さんは3人ともに女の子ですが、それにしてもキレイです。
階段廻りなど漆喰の壁など手垢など付くのですが…きっと奥さんが綺麗好きで、お子さん達も似たのでしょうね。我が家とは大違い…(苦笑

今回の訪問は、「住まいの相談会」に参加されたFさんご家族が一緒でした。
Nさんも快くご招待くださったので、お言葉に甘えさせていただきました。

この「王子台の家」の特徴に、玄関ホールとリビングから繋がるテラスがあります。ガラス屋根がかかり、桧板の格子壁で囲われているので、いろいろな使われかたをしてもらえます。夏にビニール製のプールに入って遊んでいたのは想定外でした。(笑
それと、Nさんの考えでハンモックを吊してあったのが印象的でした。昨年GWにウチの子供たちを連れて行った時にも感心したものです。
n_090228_3.jpg


今回はホールにそのハンモックを吊していました。
Nさんちの三女のチーたまちゃん(2歳)は器用にブランコにして遊びます。

n_090228_1.jpg

最後はFさんちのお子さん2人も一緒にハンモックに乗って嬉しそうでした。
これも家全体が暖かいから出てくる発想なんだろうなと思いました。

n_090228_2.jpg 

て、Nさんへのインタビューです。
床下暖房(エナーテック社システム)ですが、とても快適な冬を過ごせたとの感想でした。
今年の冬は比較的暖かかったこともありますが、温度コントローラーを抑え気味でも十分だったと。ほとんどの床が桧の板張りなので、素足のままでも暖かかく気持ち良いといいます。
1階と2階の温度差が3℃くらいあるようですが、2階の補助暖房(ルームエアコン)も一切使わずにこの冬は済んだようです。とにかく家の中全体で温度差が無いのでストレス無く過ごせるのが嬉しいとのご意見でした。

ちなみに昨夏は、家全体をエアコン1台と扇風機で過ごせたそうです。冷房能力4.0kWのルームエアコン(14畳~18畳)です。この家の延床面積は約130㎡です。
断熱、気密性も良好と言うことでした。

次にランニングコストです。
深夜電力といってもスラブヒーターの電気容量は大きいので、使用電気量がけっこうかかります。
床面積や間取り、気密性や断熱性によって変わりますが、この「王子台の家」ではヒーターの電気容量は14.11kW、年間使用電気量は8,000kWhとしました。
設計時にエナーテック社から算出された年間電気料金は56,000円/年で深夜電力割引38,640円/年。ですから実際の支払う電気料金は約17,360円/年くらいです。(これは2階の補助暖房の使用料は含まれません)
それでNさんに聞くと、設計時の2年前とは電気料金が違うので一概には言えないらしいですが、おそらく20,000円/年くらいとのことでした。ヒーター使用時期が11月~3月の5ヶ月だとすると4,000円/月くらいですから経済的と言えます。
他の全館暖房や床暖房などと比較すれば相当な割安感があります。

エナーテック(株) http://www.enertec.co.jp/index.html
hammock2000   http://www.hammock2000.com/concept/

ハンモックのある住まい。
温度差のない心地よい温熱環境の家。
ご興味のある方はお問い合せください。

オーダーメイドの住まいをあなたに
by takezo!  http://www.atelier24.jp
スポンサーサイト
床下暖房を体感


昨日、王子台の家を訪れた。

竣工後1ヶ月を過ぎ、お施主さん一家はこの住まいを、かなりご自分達のものにしているように感じて、嬉しく思った。
外観の夜景を撮影する目的もあって、夕方にお邪魔すると、お施主さんは肌寒い日がしばらく続くという天気予報を聞き、2日前から床下暖房のスイッチを入れているという。
玄関を入ると確かにほんわか暖かく感じる。桧の床板を触ると温かい。
小5のお姉ちゃんが、パジャマ姿で居間のソファーで髪をバスタオルでふいていた。
床が暖かいので、素足でも気持ちよく、薄着でいても寒くなく快適だ…とのお施主さんの弁。

真冬にどのくらい快適に過ごせるのか?お施主さんは今からとても楽しみのようだ…
エナーテックという比較的新しいシステムだが、既にかなりの実績があり、お施主さんの期待を十分満足させてくれるはずだ。
ただ、設計者としてはいつものことであるが一抹の不安が無いわけでもない…(苦笑
来春にはそのリポートも紹介できると思う。
興味をお持ちの方はお楽しみに!


参照ブログ:「床下暖房」という選択
http://atelier24blog.blog91.fc2.com/blog-entry-105.html

n_0512_2.jpg

by takezo!   http://www.atelier24.jp
「王子台の家」完成内覧会のお知らせ


「王子台の家」の完成内覧会を来週の日曜日に実施予定です。
検査後から引渡まで時間が無い中での見学会なのでその日だけです。
ご興味があり都合つく方は、アトリエ24までご連絡ください。

「王子台の家」完成内覧会
日時:3月30日(日)9:30~16:30
お問い合せ先:有限会社アトリエ24
          Tel:043-238-5095/E-mail:info@atelier24.jp

n_0322_2.jpg
n_0322_3.jpg
n_0322_4.jpg
4枚とも今朝の状況。
1階はまだ左官屋さんが漆喰を塗っていて、画像UPする状況ではなかった。本当に工期ぎりぎりです…(苦笑




「王子台の家」

◇次世代省エネ基準適合の高断熱・高気密+床下暖房
この省エネ基準は、エネルギーロスが極めて少ない仕様ですから、環境にも家計にも優しいの住まいです。
また、床下暖房は1階の床下全面に電線が引き込まれたコンクリートスラブに深夜電力を利用して蓄熱。その暖められたコンクリートからの放熱を利用するもので雪国から実績を上げてきたシステムです。
床暖房には無い快適な室内環境、温度のバリアフリー化を実現します。

◇自然素材でつくった健康的な住環境
国産の杉、桧の無垢材をふんだんに使い、内装も漆喰壁で仕上げた自然素材を視した住まいです。

◇コストバリュー!!
この様なスペックでありながら、工事費の坪単価は約65万円です。
上記の高断熱・高気密+床下暖房と3つの12畳分のロフトの費用が含まれます。
しかもエアコン、照明器具、消費税込みです!

柔らかに陽光が差し込み明るく開放的なプラン。半屋外的な要素のテラスデッキとそれにつづく芝庭。
みんなの笑顔が絶えず温もりがあり、施主の家族への想いと、こだわりがギュっと詰まった住まいになりました。
この暖かい雰囲気を是非ご覧ください!

by takezo!   http://www.atelier24.jp



フラット35Sの中間検査


Nさんの家は、住宅金融機構のフラット35Sという住宅ローンを利用している。

だから、確認申請とは別の審査を受ける必要がある。それは申請時と、中間、完了時である。
現場は上棟してから急ピッチで進み、この中間検査を受けることとなった。

確認申請と機構の審査が別と言っても、審査機関は同じところに委託したので、この中間検査前までに、軽微な変更がある場合は記載事項変更届を提出することになるようである。

Nさん家では、窓の一部変更などあり、この変更届を出す必要があった。
これは、昨年の建築基準法の改正後の新しい手続きのようだ。検査機関によっても対応や手続きが違うようで、申請者としては戸惑うばかりである。
それでも、改正後しばらくは、構造等に影響のない窓の位置の変更も認めないなど、馬鹿げた規制があった状況を考えれば、まだまだマシである。

さて、中間検査の方は、指摘事項無しで、無事合格となった。
もちろん、検査前には私の事務所で、構造壁(筋違)の仕様や補強金物、梁や柱の繋ぎ部分が設計図と合致しているかなどの確認を行った上での検査受検である。
問題が指摘されることは無いとは思うが、検査後に合格となれば人並みにホッとでき一段落である。

n_0215_2.jpg
n_0215_3.jpg

上:1階柱の上に梁(胴差)が乗り、その上に2階の柱が乗る。柱の上下で吹き寄せ金物(ホールダウン金物)という補強金物で締め固める。

下:上と同様の構成であるが、外部に露出する部分なので、大工の提案による込栓(樫)等によってつなぎ合わせている。


by takezo!   http://www.atelier24.jp
Nさんの家の上棟

Nさんの家が上棟した。

大工さんの段取りがとても良く、予定よりも1時間近く早く上棟した。
設計者としてもとっても嬉しい日であり、現場としてはこれで一段落である。
棟札を棟木に取付け、建物四方に御神酒と米と塩を蒔いてお清めをした。
そして、施主、工務店、設計者の三者で、御神酒をいただき、工事の安全と無事な完成を祈願し、乾杯した。
施主にとっても、我々工事業者にとっても、建売住宅などでは味わえない、心地よい一時である。
設計者としてもとっても嬉しい日であり、現場としてはこれで一段落である。

n_joto2.jpg
n_joto3.jpg
n_joto4.jpg
上:事前に加工した小屋組をレッカーで次々上げ、大工と鳶が小気味よく収めていく。工務店の提案で小屋は合掌組とした。
中:棟札。この家が火災などにあう事無く、末長く栄えるようにとの願いを込めて奉られる。
下:テラス廻りは、柱、梁が露出するので、化粧柱を使う。キズなどつかないように養生されているが、ここにもお祝いの印。
「床下暖房」という選択
Nさん家は、基礎工事が概ね終わり、今日から現場は大工工事が始まる。
その前の工事として、先日に基礎部分の断熱材が貼られて、床下暖房という一般の人には聞き慣れない設備の準備が始まった。



床下暖房とは、床暖房とは全く異なる設備である。
床暖房は床の表面を暖める設備で、体を床に接してないと暖かさをあまり実感できない。暖房設備としてはサブ的な位置付けであり、局所的な使い勝手に適している。
床下暖房は、床下の空間を暖めて建物全体を暖めようといういう設備で、朝鮮半島や中国北東部のオンドルなどが該当する。

今回選択した設備は、1階の床下全面に電線が引き込まれたコンクリートスラブを築造し、深夜電力を利用して蓄熱し、暖められたコンクリートから1階の床面を輻射熱で暖められる。その床面からの輻射熱と同時に暖められた床下空間の空気が床下と1階床面との間に設けられたガラリを通して自然対流熱で1階の空間を暖め、更に、2階の空間を暖めるという暖房システムであり、比較的新しい設備である。
山形にあるエナーテックという会社がシステムを開発販売しているので、東北の寒冷地の方が採用が多く、2006年までの実績では約7000棟、そのうち関東(主に北関東)では約1000棟ある。

このシステム導入のためには、次世代省エネ基準を満たしている必要条件がある。
この省エネ基準は、エネルギーロスが極めて少ない住宅であるから、時代の要請にも合致している。しかし、高断熱化、高気密化にするためのコストが、これまでの省エネ住宅より1割ほど掛かる。

Nさんには、アトピー型小児ぜん息のお子さんがいて、誇りが少なく、温度差の無い環境が必要でした。
Nさんが、この次世代省エネ住宅で全館暖房、かつ自然素材を使った健康に暮らせる住まいを強く要望された所以である。



この床下暖房のメリット・デメリットを簡潔に紹介しておく。
■メリット
・全館暖房が実現できるので、温度のバリアフリー化が可能
・輻射熱利用なので、体にもやさしく快適性が高い
・他の床下暖房、全館暖房と比較してイニシャルコストが安い
・深夜電力利用により、ランニングコストがとても安い
 (Nさんの家では、冬期の平均月額電気料が3,000円くらい!を想定して
 いる)

・システムがとてもシンプルで、維持管理費も少なく、地震時や火災の心配
 も無い

・床暖房に比べて床仕上げ材の選択肢の制限は少ない。
 (Nさんの家では、工務店が自前で自然乾燥させた
無垢材の国産桧縁甲
 板・厚さ15mmを使う)
                                                              
■デメリット
・一度冷えるとすぐに暖まらないので蓄熱に時間が掛かる。
・きめ細かな温度設定ができず、関東あたりでは小春日和の様な暖かい日
 は、室温が上がり、窓を開けて冷やすこともあり得る

・システム上、2階の室温は17℃くらいなので、場合によっては補助暖房が
 必要になる



この寒さ厳しいおり、燃料代の高騰もバカにならない時勢である。
今後に住み替えを考えている読者諸氏も、高断熱・高気密住宅と暖房方法を考えてみることを勧めたい。

n_0201_02.jpg
工務店の倉庫で自然乾燥させている桧縁甲板厚さ15mmと階段段板厚さ30mm。双方とも節があるが国産無垢材である。
生コンの受入
Nさんの家の基礎工事が始まり、配筋検査を行った後にコンクリートの打設が行われた。
そして、その打設前にコンクリートミキサー車から運ばれてきた生コンクリート(まだ固まらないコンクリート、専門的にはレディーミクストコンクリートと言う。以下生コンと記する)の材料受入検査を行った。

検査項目は、スランプ、空気量、コンクリート温度、塩化物量測定。そして打設日時から4週間経ったときに、設計で求めている圧縮強度があるかどうかを計測するためのテストピースを一緒に作る。





この受入検査は、マンションや事務所ビルなどでは当たり前のように行う。
しかし、戸建て住宅では大手ハウスメーカーでも全て実施しているわけでは無いらしい。
当然のことながら、建売住宅や地場工務店の注文住宅などでも実施しているところはかなり少ないのが現状であろう。

私どもでは、木造住宅の基礎と言っても、現場で直に確認できるこの検査は最低限実施している。
ミキサー車から抜き取る生コンで一番問題になるのがスランプである。
事務所の仕様では、基礎などの部位に15cmを指定している。JISで認められている誤差は±2.5cm。
許容誤差をこえる場合は当然のことながら受入不可となる。
過去に2度ほど、この許容値をこえるスランプの生コンを検査した経験がある。受入中止を指示し、ミキサー車を返して、再度納入させた。その時の現場は、現場監督を始め各職人まで含めて、厳しい視線が私に注がれ、実に場が悪かった記憶があるが…(苦笑)

この生コンは現在ではその多くがJIS認定工場で、配合されたものをミキサー車で運搬し、現場で型枠に流して使い、その後硬化した構造体になる。
JIS認定工場の製造だから問題ないだろうというのが、住宅を供給する側の大概の言い分であろう。
では、大きな建築物などでは何故受入検査を行うのか?

それは、建設現場で生コンを受け入れた時点から、その品質の責任が施工者に移るからである。
だから、JIS認定工場の生コンを購入しても、現場での品質管理が適切でなければ質の良いコンクリート構造体ができない場合が多々ある。
生コン工場は、現場でできたコンクリート構造体の品質については責任を負わない。あくまでも購入、受け入れた施工御者側の責任になる。

事前の計画通り配合された生コンであっても、品質のばらつきもあるし、搬送状況や外気温によっても性能が変化
するのが生コンである。
それだけに、いくらJIS認定工場の建材だからといって、受入時に検査をせずにそのまま型枠に流し込む様な施工を見逃すことができない。
穿った見方をすれば、工場や搬送の途中で加水するチャンスはいくらでもある。
全てのミキサー車分の材料を検査するわけには行かないが、木造住宅の生コン納入は、1回あたりミキサー車3,4台である。だから少なくとも1台目の生コン受入は確実に立ち会うようにしている。

しかしながら、本来は施工業者が責任を持って実施すべき管理業務である。
この品質管理、工事管理について施工業者は、あまりにも無頓着すぎるように感じるのである。

n_con2.jpg

秋空の中の地鎮祭



先日、「Nさんの家」の地鎮祭が、快晴の秋空の中で行われた。

神主が取り計らい、施主家族、施工者それと私どもの三者だけのささやかな儀式であったが、気持ちの籠もった素敵な地鎮祭であった。

今日の朝日新聞朝刊に、最古の地鎮祭という記事が目にとまった。
藤原宮跡で宮殿建築の無事を祈る道具とみられるそうで、現代の地鎮祭のルーツと考えられているらしい。
1300年前でも、現代でも建設の無事を祈り安全を祈願する気持ちは変わらないのだと思うと、先日の「Nさんの家」の地鎮祭の情景を思い出し、清々しい気持ちを新たにした。

http://www.nabunken.go.jp/cgi-bin/WebObjects/NabunkenNews.woa/