建築家・飯沼竹一のブログです。暮らしや住まい、家や建築、街などを通して見聞きしたこと、日々感じたこと、考えたことなどを気儘に手記にしています。四方山話も含めて呑気に続けて行こうと思います。 ご意見ご感想などお願いします。
こんなマンションデベロッパーはもう要らない!
首都圏、それも東京都区内においては、いまだ分譲マンションの販売価格は高値で推移しているようだ。
だが、数年前より分譲マンションは供給過剰であることなど周知の事実である。
ところが、近年土地価格の高騰などから、都市近郊で分譲マンションの建設が縮小どころか拡大してるのはなぜなのだろうか?





今年に入り、千葉市内でも新築分譲マンションの販売不振が顕著になってきているように感じる。

2年前、あるマンション建設に際して、近隣住民の依頼で建設に関する千葉市の調停に関わったことがある。
その物件はJRの最寄り駅より徒歩20分ほどの位置に計画されたものだが、専有面積を小さくし、販売戸数を増やして価格を抑える従来の企画のようであった。
何度かの折衝において、私は「駅近じゃない物件で、敷地にも建物にも余裕がない計画では、売れないのでは?」と訪ねると、…「当社では市場マーケット調査をしっかり行い、事業として充分成り立つと考えて計画したものですから、ご心配には及びません…」と、大手企業のデベロッパー営業担当が答えたことを記憶している。

この物件は今年4月竣工になった。しかし、売れ行きは建設中から芳しくない…販売戸数120戸で、4カ月を過ぎて、おそらく3分の1くらい売れ残っているのだろう。
週末にはこの猛暑の中、何人もの営業マンがプラカードを持って交差点に立っていた…

このような状況は、上記の物件だけでは無い。すぐ近くにも、同規模、同様コンセプトのマンションが2棟も建設中である。
また私の事務所がある千葉みなと周辺も、マンション建設ラッシュが続く…今年に入り竣工した物件は、やはり同じように売れ残っているようである。

ご存じの方もいるだろうが、新築分譲と言っても完成後しばらく買い手の付かなかったものは「新築未入居」という売れ残り物件であり、デベロッパー側が値下げせざる得ない。
早く売りさばいて、販売促進の余計な経費を無くしたいと考えるから焦る…それでも売れ残った竣工後2年を経過した物件は、「新築」の表示ができなり「中古」の扱いになるのである。当然のことながら販売価格は、新築時と比べて格安にせざる得ない。

こうして、一企業の杜撰な事業企画から新築分譲マンションは格安に販売され、その周辺の既存マンションの資産価値が下落するのである。
何と理不尽な話であろうか…

デベロッパーが損出を抱えようが、倒産しようが、それはその企業の問題である。
しかし、現在起きている状況は、多くの企画の段階から事業計画が杜撰で、地域社会にとって利することなどほとんど無い状況のようである。
いいところ、コンビニなどが工事関係者の利用で一時的に繁盛するくらいである。
住環境の悪化、急激に生じる人口過密の問題、学校、ゴミ、駐車場、防犯、そして景観の問題… 多くのデベロッパーが街を創るという考えをほとんど持たない。
とにかく土地を取得して、旧来通りの手法、企画で新しいマンションを建てて、売ってしまえばOK!それが企業利潤の追求であり会社存続のための手段らしい。
でもいくら資本主義経済国の企業と言えども、こんな身勝手な業態は21世紀の社会に無用であろう。

マンションデベロッパーの社会的な役割は、疾うの昔に終わっているのだと思う。
バブル崩壊後に、不動産・建設業界は抜本的な構造改革をしなければならなかった。
だが、政官財界の諸事情により大幅には変えることができなかった。 そして公共事業の削減、長引くデフレ不況によって、この業界はもがき苦しんだ。しかしマンション建設が延命してきたと言ってもの過言では無いだろう。
一刻も早く、この業界は今の偏った業態から抜け出さねば、多くの企業が共倒れし、日本経済に大きな支障をきたす事になると危惧する。目先の利益を追い求める時代は終わったと考えるべきであろう。

今後は、新築マンションができた数だけ、中古のマンションが余っていき、老朽化が加速するのである。 地球環境的な観点からも大きな無駄である。
そしてこの老朽化した大量のマンションをどうすべきか… そろそろ、真摯に考えを導かなければ、近い将来大変なことになるだろう。
マンションデベロッパーはこの考えに沿って、事業を転換して行かなければ生き残れないと考えるが…


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処暑の日に想う
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今日は二十四節気の処暑である。
(処暑:http://www.atelier24.jp/24ss.html
さすがに昨日までの猛暑が一段落したようである。
気持ちも体もホッとして、少し嬉しく感じる。

今夏の暑さは記録づくめ。
私は就寝時の冷房が苦手であり、風通しの良い住まいであることもあり、これまで滅多に冷房を入れて寝たことがなかった。しかし今夏はどうにもならず…始めて1週間連続で冷房の効いた部屋で寝た。
昨日、東京電力は予想を超える酷暑から電力供給が足りなくなるとの「非常事態」になり、一部企業に電気使用を控えるように要請したとのトップニュース。(柏崎刈羽原子力発電所が休止していることもあるが…)

こんな厳しい環境に移行している時代である。しかしながら、如何に「省エネを!省エネを!」と広報しても、街中でエネルギー垂れ流しの現状では、まさに焼け石に水状態である。

クールビズが定着しつつあるようだが、まだまだ多くの会社員が長袖シャツにネクタイ着用だ。オフィスの室温を1℃、2℃上げ、電気消費量を下げることを優先させたい…そうすれば電車内や飲食店、デパートなどの冷房設定も上げることができるだろう。
気軽に買えるペットボトル飲料は、減らすことができないのだろうか…会社や学校では水筒を、家庭ではガラスなど容器を使い、できるだけペットボトル飲料を購入しない…スーパーのレジ袋を利用しないことと同じ発想だ。
この猛暑の中、大量の電気を使い稼働している自動販売機…日本中の自販機の電気使用量は原子力発電所1基分との計算もある。日本には誰のためにこんなに大量の自販機があるのだろうか?
24時間オープンのコンビニやスーパー、飲食店も我々にとって、本当に必要なのだろうか?

このままでは拙い…
多少面倒でも、多少不便でも、多少時間が掛かっても、多少高くても…一人一人が意識を変えなければ…少しずつでも、とにかく実践しなければ…
今後、更に地球環境が悪化するだろうし、来年以降も猛暑が続くだろう。
我々の次の世代に申し訳が立たない。

私も建築を設計するものとして、今後益々省エネを真摯に考えねばならないと、強く感じた猛暑だった。
お気に入りの温泉


久しぶりの夏季休暇に伊豆松崎の大沢温泉に1泊した。
リピートしたくなる温泉旅館の1つだが、往復の交通時間が掛かり滅多に行けない…まぁ、それが好条件なのかもしれない。
7年ぶりくらいに訪れたその旅館は、嬉しいことに施設の雰囲気からサービスまでほとんど変わらなかった。 唯一新しくなったのは、新館(と言ってもかなり古い…)の屋上に露天風呂ができたことで、当日到着してから知ることになりこれも嬉しい驚きだった。

この旅館の良さは、江戸時代からの庄屋の母屋や蔵を単なる文化財としてではなく、それを上手く活かして古民家建築でありながら宿泊施設に増改築したところであろうと思う。
そして、手の行き届いた庭園とその回りにある豊かな自然であろう。

次回訪れるときは、是非とも連泊してのんびりと好きに時間を使いたいと想った。

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大沢温泉ホテル http://www.osawaonsen.co.jp/
どうにも納得できない話…
7日の読売新聞から…
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 国の公立小中学校の校舎や体育館のうち、震度6強の地震で倒壊する危険性の高い施設が計1万1659棟に上ることが6日、文部科学省の専門家会議による推計で分かった。
これは全12万9559棟の9%にあたり、同省では「極めて深刻な状況」として、「公立学校施設耐震化推進計画」を今年度中に策定し、これら危険性の高い施設をなくすことを目指す。
しかし、肝心の自治体からは「耐震化を進めるには費用も時間もかかる」などの声も上がっており、深刻さの早期解消は簡単ではない。
今回、「震度6強で倒壊の危険性が高い」とされた学校施設の危険度は、耐震強度偽装事件で使用禁止となったマンションの耐震強度「50%未満」に相当する。
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例の耐震偽装によって、使用禁止を言い渡され、自ら解体し建て直しを余儀なくされたマンションの住民やビジネスホテルの所有者はどう考えただろうか?
あまりにも基準が曖昧で、当事者にはとても納得できないことであろうと気の毒に思う。
そして、問題となる1万1659棟の学校はそのまま使用するのか? なぜ、こんなに対応が迷走するのだろうか?
先の6月20日の建築基準法の改正にしても同様である。 結局のところ国交省の役人とそれに係わる政治家のドタバタ劇のように感じる。

更にこれは公立の小中学校の問題だけではない。
官庁物件の耐震診断は予算が付き次第進んでいるが、民間の古い建物に関しては途方もないほど残っているはずである。
マンションに至っては1万棟以上が築30年の耐震性に疑問があるのもである。

 取り返しが付かないほどの迷惑を被ったのは、結局のところ被害者であるマンション所有者とビジネスホテルの所有者・従業員である。
国交省はこの対応について、分かり易く説明すべきである。




毎日暑い続きます。みな様どうぞご自愛ください。


(画像と本文は関係ありません)

一足早い夏休み



昨年までの3年ほど、夏休みは諸事情により何処へも出掛けていなかった。
子供の成長は早いもので、上の子が小学校1年生だった時から考えれば、あっという間に4年生… 今年は、必ずや海に連れて行ってやろうと、私としては珍しく1ヶ月前よりスケジュールを調整し、宿に予約を入れ準備した。
出発 直前にかなり多忙になり、キャンセルも頭を過ぎったが…(苦笑)

行き先は、南伊豆の奥石廊。ヒリゾ浜という秘境。
あまり人には教えたくない場所…である。(汗)

10年ほど前に愛逢岬という崖っぷちを徒歩で30分ほど掛けて海岸に下りて、シュノーケリングした場所で、その透明度に感動した記憶が鮮明に残っていたのである。
現在は、このルートは崖崩れの危険があり閉鎖されていて、近所の漁港から船で渡してもらう。

初日は一日中雨の中の移動になったが、次の日は晴天に恵まれ 絶好の海水浴日和…
子供たちの満面の笑顔に、無理しても連れて来れたことに感謝した。
そして、 ムレハタタテダイ、 キンギョハナダイ、キンセンイシモチ、ゴンズイ、イカ、ウツボ…たくさんの海の生物を見ることができて大満足できた。

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