建築家・飯沼竹一のブログです。暮らしや住まい、家や建築、街などを通して見聞きしたこと、日々感じたこと、考えたことなどを気儘に手記にしています。四方山話も含めて呑気に続けて行こうと思います。 ご意見ご感想などお願いします。
先ずは小中学校の耐震化が急務
気象庁の地震記録を見たことがあるだろうか。
これを見ると、揺れを感じる地震が毎日のように日本のどこかで起きていることに驚く。日本が地震国であることを如実に語っている。
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/

そして、近年大きな地震が続く…
1ヶ月前には中国四川大地震。阪神大震災の30倍近い地震の破壊力エネルギーであったらしい。
先だって岩手・宮城内陸地震が起きた。この地震でも、揺れの瞬間的な強さの指標である最大加速度が4022ガル(ガルは加速度の単位)とを記録したらしい。これも阪神大震災と比較すれば約4倍くらいの揺れのエネルギーで、構造設計では想定外である。
四川大地震と同様に地震という膨大なエネルギーの前では、その被害の大きさを映像を介して、呆然と見るしかなかった。


そんな時に、公立の小中学校校舎の耐震化が進んでいないというニュースがあった。
文科省の調査結果によると、昨年度までの公立小中学校施設の耐震化率は62.3%で、全国の公立小中学校施設約12万7000棟のうち、耐震性がない、あるいは耐震診断を未実施の建物は約4万8000棟あるという。

今後、日本で大きな地震が起きても、中国四川大地震の様に学校が瓦礫の山と化し、多くの子ども達が倒壊した校舎の下敷きになるという無甚大な被害は、起きえないかもしれない。
しかしながら、阪神大震災でも市役所の1フロアーがつぶれて消失したり、1階が駐車場などになっていた建物などでは、その1階分が押しつぶされた被害が多数あった。
全国の約4割の学校施設は、震度6以上の地震によって倒壊や大きな損傷の被害を受ける可能性があるのである。
このような危険な学校施設が身近にたくさんある現状をどのくらいの人が認識しているのだろうか…自分の子どもが通う学校の耐震強度が足りてるかどうか知ってる親は、恐らくごく少数であろう。
この認識の低さも問題だろう。


国交省は、2005年の耐震偽装事件の際に、耐震性が乏しいマンションやホテルに対し早急に使用禁止命令を出し、解体まで迫った。
約4万8000棟ある問題の学校施設は、この時の判断基準で言えば、解体する範疇だ!

以前からこのブログでも書いてきたが、耐震性が乏しい古い建築物は膨大に現存する。
民間のマンションや住宅、事務所ビルなどはその所有者の責任の下で、耐震化を進めていくしかないだろう。しかし、公共施設…取り分け小中学校においては、その耐震補強対策は急務であるはずだ。
中国四川の学校の倒壊現場で、父母たちが悲しみのどん底の中、行政に抗議する姿を見るに付け、地震大国である日本ではとにかく小中学校から、耐震化を進めるべきだと思う。

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そして、地方公共団体は、行政サービスの優先順位を見直して予算を執行すべき時に来ている。

例えば、千葉市では、中心部に小学校がたくさんある。半径1kmに3,4校ある地域もある。ところが、その学校は何処も少子化で在校生徒数が少なく、1学年1学級のところも多い。
これに対して、我が娘が通っている学校は、千葉県内でも1,2を争うマンモス校だ。1昨年まで昔懐かしいプレハブ校舎があった!…笑)。
昨年安易にも校舎を増築して、校庭がこれまで以上に狭くなった。
この数年は運動会では観客は全て立ち見!!お弁当も子供たちは教室で食べ、親たちと一緒に食べることができない可哀想な状況になっている。

古い校舎は耐震化されているようだが、体育館はゾッとするほど老朽化している。
この地区では、マンション建設がまだまだ続くようであり、今後も子供が増えるはずなのだが、新しい学校の計画などは止まったままらしい…。
自治会などで再三要望を出しているものの、予算が無いの一点張りらしい。

予算の話をするなら、先に述べた子どもが少ない学校の統廃合して、民間に売却するなり賃貸に出すなどして、もっと知恵を使って有意義に予算配分して欲しい。


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このような行政の不作為と言える状況は、何も千葉市だけでなく、全国津々浦々同じようなのだと思う。
この国の財産であるはずの子供達の環境に、教育の機会と安全面などで格差が生じている。
これを何時までも放置しておくことは行政の怠慢である。

政府は、中国四川大地震での学校施設の倒壊被害が多数出たこともあり、「改正地震防災対策特別措置法」を先頃施行させた。
公立学校が耐震補強工事を実施する際、自治体の実質的な費用の負担率は、31%から13%に下げることで、財政措置も拡充された。
財政難などの理由から、これまで耐震診断や補強工事を後回しにしてきた自治体は早急に対処しなければならない。
せめて耐震診断くらい実施し、その結果を公表すべきである。

利用頻度が少ない道路や空港などはもう要らないはずだ。
利用目的が曖昧で、閑散としている市民ホールや文化施設などの箱物も、市民にとっては必要な行政サービスではない。

あくまでも、優先順位は子供たち、そしてお年寄りのはずだ。


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住設ショールームの見学
先週日曜日に、千葉市内に設計中の二世帯住宅のお施主さんとユニットバスやキッチンユニットなどを住宅設備器機メーカーのショールームに見学しに行ってきた。

当初の予定では、お施主さんのイメージを確認するために事務所から徒歩3分ほどにあるY社のショールームに行く予定であった。ところが今月に入り遽移転してしまい、T社の千葉支店に変更した。このT社のショールームのすぐ近くにI社のショールームもあるので、お施主さんの希望もあり、ショールーム見学のハシゴとなった次第…(笑


この二世帯住宅は、木造2階建てで、1階を親世帯、2階を子世帯にし、玄関、台所、水回りなどを各世帯毎に分けた完全分離型の二世帯住宅として計画している。

1階はバリアフリーを十分に配慮した計画になっている。浴室やトイレにについても広めのスペースを確保し、床の段差も無い仕様としている。
両世帯ともに、浴室はユニットバスを希望されているので、バリアフリー商品が豊富な上記の2社の見学を勧めたのもこの理由からである。
なお、キッチンユニットについては、サイズや仕様、付属器機の要望を確認するために見ていただいた。お施主さんのご要望やコストなどの勘案してオーダーとなる可能性もあるからだ。


事前に事務所名で予約を入れておいたので、両ショールームともに担当者(ショールームアドバイザーという職種らしい…)がテキパキと説明してくれた。

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T社は、さすがにバリアフリーにおいては先駆け的なメーカーなので、ユニットバスにおいては明らかに一歩上である。
それはアドバイザーの説明からもよく分かる。
 
特に浴槽に特徴があり、高齢者やハンディーがある方にとって安心感がある。高齢者にとって浴室は使いやすく、かつ安全でなければならない。
キッチンユニットにおいてもその配慮が具体的に表現されていて、一般の消費者に理解しやすいと思った。

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一方、I社は仕上げの質感が上品であった。ショールームの運営方法が違うのだろうが、展示されている商品が多く、消費者にとっては嬉しい展示スペースだと思う。そのためかT社よりも見学者が多かった。
しかし、バリアフリー対応については他メーカー同様、通り一辺倒の展示であり、説明だとと感じた。
ただ、先にT社を見てきただけに、Y社に入ったときには、両世帯のお施主さんともにかなり飽きてきてたことは、Y社に申し訳なかったと感じた次第…(苦笑

何れにしても、展示スペースなど持たない我々のような設計事務所の場合、近くにこのようなショールームがあることは非常に有難い。
そして、住宅の設備器機などの商品は、どのメーカーでも大差ないように考える方がいるらしいが、我々から見ればやはり多種多様で、一長一短あるから、お施主さんにとってベストのものを選択できるよう利用していきたい。
前途したY社のショールームも来月半ばにはオープンするらしいので、デザインが優れているメーカーだけに期待したい。

なお、この住宅でのユニットバスはT社の製品を設計に取り込むことになる。ただしメーカーとその商品、仕様などの最終決定は現場が始まって、再度カタログやショールームでお施主さんに確認してもらうことになる。ユニットバスでなければ、浴槽の高さや水栓金物、手すりなどの位置を現場で直接確認いただく。
それが、我々の設計業務のプロセスである。
いかに事前にショールームで見てもらって納得されたとしても、その手間を省くことは無い。


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サーカスがやってきた!


半月ほど前に、事務所のある5階フロアーのエレベーターホールの窓から、大きなクレーンが見えた。青空駐車場になっていた広い敷地である。

またマンションの建設か??と思いきや、敷地の廻りにコンテナを置き始めた…??
…何だろう、何が始まるのだろうと疑問であったが、そのうち仮設資材らしいものが敷地中央に置かれた…ますます???

次の日、何気なく聞いていたFmラジオから、サーカスが千葉みなと来ることを知った。
そっか!サーカスか!(笑

そうこうするうちに、人も物資もドンドン増えていく。
毎日エレベーターを乗る度に気になって仕方ない…(汗
先週の半ばには場内をキリンがウロウロし、ゾウやシマウマが見えた。
そしてテントの柱が建ち、先週日曜日にはテント幕が張られた。


今日昼飯ついでに施設前を通ると、鳶職や電工などが忙しく作業し、飲食物など物品が搬入されていた。その傍らでは施設のお姉さん達が掃除をしていた。小さな街の完成間近だ♪
いよいよ明日から興行開始らしい。
ウチの子供たちも楽しみにしているようだが、実は自分がワクワクしていたりする…(苦笑

木下サーカス 千葉公演 http://www.kinoshita-circus.co.jp/htmls/sche/sche-01.htm

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家を所有するリスクを考える
マイホームに憧れ、家を持つことを夢見る人は相変わらず多い。
このところ、子供が小学生になる前に住宅の購入を望む傾向があるように感じる。また、親所有の土地に新たに二世帯住宅を建てる計画の相談も増えている。

折角念願のマイホームが実現したのに、「こんなはずではなかった‥‥」と後悔しないよう、家を持つことによって生じるリスクについて書いてみたい。

これは何も、家を持つとリスクばかりあって、賃貸住宅で暮らした方が得ですよ…という持ち家否定論ではけっして無い。
家を所有することによるリスクやデメリットをあらかじめ知っておき、それ相応の覚悟を持った上で慎重に計画を進めてべきだとの考えを言いたい。

そして、住む人の心と体を癒し、家族の幸せを実現するものであって欲しいとの想いを伝えたい。



想定外の事態や生活の変化…

このところの住まいの相談で多いのが、住み替えについてである。
それも、家族構成が変わった(あるいは事前に備えて)ので、現状の住まいでは対応できなくなり、新たに家を建てたいという事例が多い。
具体的には、①家族が増えたので今のマンションでは面積が足りず、どこか近くに戸建て住宅を新築して住み替えたいので、土地探しから相談に乗って欲しい。
②親と同居するので、現在所有するマンションを売却して、二世帯住宅を建てたいので、資金計画から相談に乗って欲しい。
いずれの場合でも、現在所有するマンションを売却して、そのマンションのローンがどれくらい残るかによって判断が分かれる。残念ながら資金繰りが難しい場合が多々ある。

家族構成の変化だけではない。転勤や転職、失業など想定外の状況が起こるのが人生の常である。諸事情で収入が下がることも考えられる。夫婦の離婚だってあり得る話である。
また、近所付き合いが上手く行かず、トラブルを抱えるなどの状況も起こらないとも限らないのである。

賃貸なら、その時の状況に合わせて引っ越すこともできるが、持ち家であれば住み替えはそう簡単にはいかないのである。


持ち家の方が賃貸よりお得か…

現在も分譲マンションの供給は大量にある状況である。それでも賃貸住宅の家賃を払い続けるのならば、その分でマンションを買ってしまう方が得…あるいは、この先金利が上がりそうだからその前に購入してしまいたい…などのマイホームを持つ目的が曖昧な場合は、将来のリスクを検討できていないのではないか… と、余計な心配をしてしまうのである。

家を所有するためには、ほとんどの場合で住宅ローンを利用する。家を購入する理由として「家賃がもったいない」と言う人がいる。不動産営業の常套句でもある。
例えば、2000万円を金利3%で35年返済のローンを組むと、返済総額は、約3233万円。金利だけで、1233万円払うことになり、それ以外に手数料や保証料などの諸経費もかかるのだ。

20年、30年先までを想定比較して、賃借料や更新料をずっと支払った場合は、ローン返済による
支払総額より多くなると考える向きもある。
しかし、金利も今後は上昇することは大方の予想である。そして日本の人口は2005年から減少が始まっている。
あと数年すると分譲、賃貸マンション共に大量に余って来るであろうと私は予想する。
つまり家賃が経済成長にあわせて上昇しないと考えると、はたして金額だけのことを考えれば、どちらが得かは分からない。

さらに、不動産取得税、登録免許税、固定資産税といった税金の負担も大きい。
火災保険や地震保険の保険料も、家を維持するためのコストとして考えておく必要がある。

また、ガス・電気・水道、床や天井などに不具合が起きた時、賃貸なら家主や仲介の不動産屋に修理を依頼すればよいが、マイホームは全て自分で手配した上で、費用も負担する。
住宅購入の資金とは別に、メンテナンスやリフォームの費用までも必要になることを覚悟しなければいけない。
分譲マンションであれば、管理費の他に修繕積立金を定期的にあるいは不足分をまとめて徴収される。何10何100という世帯と共用資産であるから、全体で決まればその個々世帯の都合は考えられることなく支払い義務が生じる。


だからといって、賃貸住宅の間取りや形状に合わせてライフスタイルを変えて住むことの方が良いとは言っていない。
毎日ストレスを抱えて生活することと、ある程度のコストを掛けて日々の生活を楽しく気持ち良く暮らし方を望む人も多いはずである。
要は住まいに何を望みその人らしくどのように暮らすかであろうと思う。

例え20年でも、あるいは10年しかなくても、人生の一時期を、楽しく潤いの満ちた生活を送ることは、何事にも変えられない貴重な日々だと思う。だからそのための住まいであって欲しい。そしてその住まいに長く暮らすことができるよう、家を持つ、あるいは住み替えると言った一大決心は慎重であって欲しいと願う。


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