建築家・飯沼竹一のブログです。暮らしや住まい、家や建築、街などを通して見聞きしたこと、日々感じたこと、考えたことなどを気儘に手記にしています。四方山話も含めて呑気に続けて行こうと思います。 ご意見ご感想などお願いします。
寒中コンクリート
先日「谷津の家」の基礎部分のコンクリートの打設(流し込み)がありました。
ちょうど大寒の日になりましたが、例年のような厳しい寒さではなく、雨や雪の心配もなく恵まれた作業日になりました。




さて、この時期に建設現場において固まる前のコンクリート(以下「生コン」)の打設作業、あるいは工程を「寒中コンクリート」と言います。
生コンは-0.5~-2℃で凍結するとされています。凍結するのは生コンの成分の1つである水です。水が凍結して氷となり体積が膨張することで、コンクリートがもろくなり硬化した時の設計強度を満足できなくなります。

設計強度とは構造上必要なコンクリートの固さをいい、コンクリート打設後28日目(4週)の強度がこの設計強度を上回ることとします。 一般の木造住宅における基礎のコンクリートの設計強度は18N~21Nが一般的です。
コンクリートの強度はN(ニュートン)で表され、Nは重さの国際単位で、1N/mm2=0.1Kg/cm2。
18N/mm2とは、10cm角の柱で約18トンの重さに耐えられる強さを表します。
この強度に3Nを加えた強度が呼び(発注)強度になります。
「+3N」の部分は「品質基準強度」といって、建築基準法に定められた加算すべき強度です。
ちなみにこの3Nを知らない工務店や現場監督も多いのが実情です。

話を戻しますが、構造上必要となるコンクリートの強度を確保するために、冬季のコンクリートの打込みでは凍結を防止するとともに、計画的な養生でコンクリート強度を確保することが重要になります。
天候に注意し、低温が予想されそうなときはシートを全面に覆うとかの対応をします。関東地方でも、降雪などによって気温が著しく低下する場合は、簡易的な屋根を架け、ヒーターなどでシート内を暖めます。打設作業を延期することもあります。

そして、冬期では温度補正した生コンを打設します。
コンクリートは暑ければ早く強度が出て、寒ければ強度が出るのが遅いために、冬季では少し強度の高いコンクリートを打設することによって、28日目の強度が確実に出るようにする補正措置のことです。

住宅金融支援機構(前住宅公庫)の工事仕様書では、コンクリート打設から28日目までの予想平均気温が、10℃以上で24N/mm2、2℃以上~10℃未満で27N/mm2を推奨しています。

設計強度が出るまで待ってからその後の工事をしても良いのですが、それでは適切な工程管理ができないので、この温度補正をした生コンを使用することになります。
一般的な木造住宅の基礎工事で使用する生コンでは、この温度補正をしても増えるコストは1~2万円くらいのはずです。
ですから、この時期に18Nや21Nの生コンを打設する施工業者は要注意です。


さて、谷津の家のコンクリート打設ですが、その生コンの品質を確認するために、受入れ検査をしました。
検査項目については長くなるので割愛しますが、この手間を省くことはありません。
生コンの受入」参照ください。

私どもの事務所では、その日の1台目の生コン車から採取した生コンで検査を行ないます。
生コン車(コンクリートミキサー車)到着後、ただちに搬入試験を開始します。
この検査の結果をみて問題なしと判断した場合に限り、コンクリート打設(枠への流し込み)を認めます。

コンクリートの設計強度や砂、砂利、セメント、水などの配合計画については、事前のその内容を確認します。

今回の谷津の家では、構造計画によって24Nと決めました。
ですから発注した生コンは、24N(設計強度)+3N(品質基準強度)+6N(温度補正)=33Nでした。
セメント量が多く、水が少ないので、粘りけが多く現場サイドでは施工性から見て面倒な生コンです。
でも、事務所の設計や品質に対するの考え方を現場サイドに説明することで、監督さんや職人さんにも意味を理解してもらい快く仕事をしてもらえました。

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私どもと同じような設計事務所に監理を委託している場合は、建築主がこのコンクリートの品質について心配する必要はまずないはずです。

今回の話は「寒中」の場合でしたが、「暑中」ではまたその仕様、工法があります。
基礎のコンクリート工事だけとっても一定以上の品質を求めるだけでもかなりの知識と経験が必要です。
低価格のもので高品質のものは相反しますから本来は簡単なことではありません。特にオーダーメイドの住宅であればなおさら難しいのです。

現場任せ、下請け任せのハウスメーカーはかなり多いようですし、工務店レベルでここまでの品質管理を行っている所はまだ少数です。

ですから、建築主はこの配合計画書や受入検査のことを覚えておけば、現場でどのくらいの品質管理をしているか、見分けることが可能でしょう。
これから住宅を建てる方は参考にしてみてください。


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忘れた頃にやってくる


2週間前の朝(1月8日)、車での通勤途中に信号待ちで何気に空を見ると、飛行機雲のように一直線でもっと幅広の巨大で異様な雲に気付いた。

その日、友人のブログにこの雲のことがエントリーありました。

わにのめ」 http://alligator.way-nifty.com/wani/2009/01/post-861f.html

地震雲 2009年1月8日」で検索するとかなりの確認情報がありました。


この形状の雲が現れると、約2週間後に地震が起きると言われていることを知りました。

その2週間後が昨日でした。
俗説、迷信に近いかもしれない「地震雲」ですが、それでも実際に見てしまうと気になりました。
非常食をチェックして、いつもより多く水を確保したり、子供たちに避難場所を確認させたり…備えあれば憂いなし!です。
まぁ、ありがたいことに、どうやら何事も起こらなかったようで何よりでした。


折しも17日は阪神大震災が起きた日で、読売新聞では住宅の耐震改修が進んでいない状況の調査結果記事がありました。
耐震改修の補助利用5100件、290万戸強度不足…大都市部
住宅耐震化、費用の壁

私の事務所でも、既存住宅の耐震診断や補強工事について相談を受けていますが、その大まかな費用を伝えると尻込みしてしまう方が多いのが実状です。

千葉市でも耐震診断や耐震改修に補助金を出す制度があります。
http://www.city.chiba.jp/jutaku/support/kaisyuu_top.html
他の自治体でも制度の多少の差こそあれ、補助金制度があるはずです。
耐震改修工事費の銀行ローンもあります。
まずは専門家に相談してみてはいかがでしょうか。


日本では毎日のように全国津々浦々で大小の規模に係わらず地震が発生しています。
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/
いつ来るか分からない大地震に掛けるお金は無いと言う方が増えているように感じます。
避難用の物資を確保することも大切ですし、住まいの耐震化も軽視できないはずです。

「天災は忘れた頃にやって来る」明治の物理学者である寺田寅彦という言葉とされています。

被災したときのことに思いを馳せ、いざの時のために備えましょう!


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完成内覧会のお知らせ
真砂の家が来月上旬完成の予定です。

施工を請け負った工務店と共同で完成内覧会を開きます。
ご興味ご関心のある方は是非見学ください。

■開催日時:2009年2月7日(土)、2月8日(日) 10:00~17:00
■場所: 千葉市美浜区
■建築用途: 二世帯住宅(完全分離型)
■主体構造:木造2階建て・在来工法
■敷地面積:230.5㎡(69.8坪)
■建築面積:88.80㎡(26.9坪)
■延床面積:150.59㎡(45.6坪)
■バリアフリー対応
■高断熱・高気密住宅(次世代省エネ基準)
■深夜電力利用による床下暖房設置(エナーテック社システム)

・目を引くような外観ではありませんが、白を基調としたすっきり・暖かいデザインの住まいになりました。
・床は桧の無垢材フローリング、壁は本漆喰塗りです。
・計画敷地は1階レベルにおいて冬場13時以降隣家の影に入り採光がなく在宅の多い親世帯には不向きな条件なので、建物配置を検討し、建物南面にライトウェルを設けることで自然な明るさを導くよう考えました。
この空間は通風・換気にも有効に作用するよう計画しました。2階の居室は、隣家の窓からの視線が気になるところなので、高窓から自然光が降り注ぐような空間構成を提案しました。
・構造設計は許容応力度計算を行い基礎、柱、梁、耐力壁、接合部などを検証し、耐震性能を高めました。


両日ともに予約制です。
見学ご希望の方、ご質問のある方下記までご連絡くださいるか、Websiteをご覧いただき、直接お電話いただいてもOKです。

アトリエ24一級建築士事務所
Websitehttp://www.atelier24.jp

株式会社佐久間工務店
Website: http://www.sakuma.co.jp

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秋田犬
大の犬猫好きです。
ですから、「南極物語」とか「野生のエルザ」とか犬猫などを扱った映画など見た日には、ウルウルしてしまい周囲にばれないように必死になります…(笑
それは、生まれてから実家を出るまで常に犬猫が側にいる生活を送ってきたからでしょう。
特に秋田犬は4頭を続けて飼っていたので特別な思いがあります。




秋田犬の存続が国内でピンチだと言うニュースが昨年ありずっと気になっていました。
http://sankei.jp.msn.com/region/tohoku/akita/080624/akt0806240208000-n1.htm

半年も前のニュースについての今ごろのコメントです。
文章が苦手で物臭なこのブログの主のことと笑ってご容赦ください。…(苦笑
ただ、この正月に実家に帰った際に、秋田犬のいない寂しさをふと感じました。そしてこの気になる話題を思い出し、ブログに残しておこうと考えた次第です。

渋谷駅の忠犬ハチ公は秋田犬であることは知られていますが、犬好きの人にとっても秋田犬にはあまり縁が無いことと思います。
秋田犬保存会によると、犬籍登録数が昭和47年の4万6225頭から、一昨年度はわずか2102頭と、ピーク時の20分の1以下にまで急減しているらしいです。

・秋田犬は顔が洋犬に比べて垢抜けないイメージがあり、洋犬や小型犬のペットブームに押され、秋田犬の愛好者が減っている。
・秋田犬は国内唯一の大型犬という特徴があるが、家の外で飼える環境のある住環境が減少し、
秋田犬のような大型犬は敬遠される。
・少子高齢化が進み、高齢者や子供だけでは力の強い秋田犬の散歩など飼育そのものが重労働となりく手放す人が増えてきている。 

概ねこのような要因があるらしいのです。でも海外ではこの秋田犬の人気は高いのだそうです。



写真の秋田犬は、筆者の実家で平成元年から15年まで飼っていた雌犬で、「さくら」といいました。とても優しく穏やかで利口な犬でした。
この犬と私が一緒に過ごしたの4年ほどでしたが、良く懐いてくれました。

このさくらのエピソードをほんの少し紹介させてください。

1.子供が大好きでした。幼犬の頃から小学生に人気で、学校帰りに子供たちがよく実家の庭に入ってきて遊んでくれました。
成犬になったある時、さくらと散歩していると、いつもの子供たちの2人と出くわしました。2人が「さくら!」と呼ぶと、急にその子供たちに飛びかかり馬乗りになりました。そして子供の顔をペロペロと舐めたのです。子供たちはキャーキャー歓声をあげましたが、歩道上で何も知らない人はこの遭遇に「ぎょ!」として腰を抜かしたのを覚えています。
家族以外の多くの人に愛されていたと思います。

2.蒸かしたサツマイモと、アイスクリームが好物でした。
父の車に乗るのが好きで、よく一緒に筍掘りや山菜採りに出掛けていました。
甘えん坊でいつしか夜は座敷犬になっていました。そして小さな甥がよく馬のように背に乗っていました。
濡れるのが嫌いで、雨の日の散歩は引っ張られるように渋々歩きました。

3.大型犬としてかなりの長生きでした。
子宮筋腫で手術して子供はできませんでしたが、ずっと健康でした。
最後は老衰で食べることも動くこともできなくなり、獣医と相談して安楽死させました。その日、母から電話でその知らせを聞き、急ぎ現場から駆けつけたのを覚えています。もう虫の息で私が「さくら」と呼びかけながら撫でてやると、すうっと息を引き取りました。
まるで私が着くのを待っていたように…


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秋田犬を飼うことは確かに大変なことです。
でも、その大変さを差し引いても、代え難い喜びをもたらせてくれます。
幼犬の時からきちんと躾けをすれば、介助犬のように飼い主の言うことを聞きます。
防犯にはもってこいです。実家で飼っていた4頭とも来客があっても不用意には吠えませんでした。来客の様子がおかしかったり、何か特別な状況の時に吠えるので、とても安心できる思います。

犬好きで、大型犬が飼える住環境がある方…秋田犬がお勧めです。

秋田犬について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B%E7%94%B0%E7%8A%AC
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&q=%E7%A7%8B%E7%94%B0%E7%8A%AC&lr=&um=1&ie=UTF-8&sa=X&oi=image_result_group&resnum=1&ct=title

秋田犬もブログ紹介
http://ameblo.jp/akita-riki/
http://todaysakura.blog31.fc2.com/


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2009春風献上
年が明けて早5日になりました。
本日より仕事始めです。

このブログも立ち上げから早2年が経ちました。
長文駄文なこの閑話に、日頃よりお付き合いいただき大変感謝しています。多くの方のアクセスとコメントをいただくことで、これからも続けていく気持ちを新たに頑張ります。
本年もどうぞよろしくお願い致します。




昨年の「今年の漢字」は「変」でした。
多くの論評やコメントがある通り、今年は昨年以上に変革の年になると誰もが思うことでしょう。
政治が変わり、世界各国の力関係も変わるでしょう。
雇用や医療、社会保障制度の改革は待ったなしです。
情報公開が進み、製造、流通業界を始め全産業にも大きく変化をもたらすことと思います。

不動産、建築業界では、昨年以上の不景気見舞われることになるでしょう。
経済規模が縮小するのですから、仕事量もこれまで以上に減るのは目に見えています。
したがって、企業・組織の淘汰が一気に進むことでしょう。
これも致し方ないことで、早く見切りをつけて他業種に転換するか、あるいは遮二無二生き残りを図るか…傍観していたらあっという間に不景気の波に飲まれてしまう状況です。


事務所としては、昨年は有難いことにかなり忙しい一年でした。
しかしながら、効率よく、合理的に仕事ができない性分なので、いわゆる貧乏ヒマ無し状態でした…(苦笑
今年もそれ以上は望めないでしょう。この時勢ですからそれで十分だと感謝して…
そんな訳で、今年は、丑年とおじゃる丸にあやかり、焦らず地道に努力していく所存です。(笑


ぽーつ ぽーつ 雨が降りゃ 
乾いた土に命が芽生え にっこり 花が咲く♪

まったり まったり まったりな 
急がず焦らず 参ろうか♪ 
(「詠人」の一節より引用)



少し急ぎすぎる世の中です。

みんなが同じ方向に競って走っていく中で、その都度方向を見定めて確実に歩んでいこう、自分を信じて…年頭に考えました。
皆様にとっても良い年に成ります様に!


おまけ:
月光町ちっちゃいものクラブ活動日誌

http://www3.nhk.or.jp/anime/ojaru/kikaku/kikaku09/index.html


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