建築家・飯沼竹一のブログです。暮らしや住まい、家や建築、街などを通して見聞きしたこと、日々感じたこと、考えたことなどを気儘に手記にしています。四方山話も含めて呑気に続けて行こうと思います。 ご意見ご感想などお願いします。
林寛治邸の見学
林寛治邸

先日の冬至の日、東京では小春日和でした。
JIA関東甲信越支部の住宅部会で、林寛治邸の見学会がありました。

林寛治さんは吉村順三に師事されたことは知っていましたが、ご自宅については恥ずかしながら詳しく知りませんでした。

林寛治邸

築40になる住まいです。
1階がコンクリートブロック造で2階が木造の混構造で、大まかですが延べ床100?ほどの小さな家です。
手前にある事務所棟の玄関を抜け、小綺麗な設えの路地を行くと、内開きの木製玄関戸の前に出ました。
1階は小さな個室3つと、サニタリーがあり、天井高さ2,1mほどの低い構成です。
この構成があって階段を上がると片流れの天井の居間に出ます。
この居間がこの家がある存在理由だと感じました。

林寛治邸
南西に開いた大きな木製窓は、ガラス戸+障子+網戸+雨戸が組み込まれ、全て戸袋に引き込まれる作りです。暖かい日だったので窓を全開にして居間からの庭の風景を見ることができました。熟した柿が冬の日差しを受けて赤く染まり来客を待っていたように見えました。

林寛治邸

2階は居間と食堂、台所です。その上に屋根裏部屋があります。
屋根裏部屋のトップライトから屋根に出ることができます。このあたりのプランは軽井沢の別荘を思い出させます。

林寛治邸

帰り際に寛治さんから「建築家は痩せ我慢と道楽が必要」と貴重な言葉をいただきました。ここ数年我慢ばかりだったかもしれません…(苦笑)
家具や照明、調度品もとても素敵で、これぞ建築家の自邸!という思いを感じました。


年の瀬の忙しい時期に実現した見学でしたが、無理して参加した価値が十二分にありました。
40年の歳月を経て醸し出す美しさ。色褪せないデザイン。細やかで実用的なディテール。
私が目指す時間のデザインしての一つの回答がそこにありました。
そして、時間を掛けて考えたデザイン、ディテールを求めていくことを再認識しました。

 
今年は有り難いことに仕事に恵まれました。
ただ忙しさに追われて時間だけが過ぎて行ったように思います。
林?治邸を見学して、時間ということについてもっともっと慎重に考え、デザインをディテールを深めて行くことが大切だと感じました。
来年は今年以上に時間とデザインを追求していこうと考えています。
皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。



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工事監理者がいないリスク
先にこのブログで紹介した「中野の家」は平成元年の竣工で、鉄骨造3階建ての戸建て住宅です。
完成当時から20年経て家族構成が変わり、建築仕様や設備が老朽化してきたので、建て替えも含めて検討依頼がありました。

当時の建築では珍しくない確認検査済証が無い物件です。
既存の住宅を解体し、新築するにはかなりの制約条件があって、仕上げを撤去してスケルトンにしてリフォームする提案をしました。
所轄の建築指導課では、確認申請が必要にならない過半の改修や模様替えでなければリフォームOKという一般的な解釈は回答ありましたが、それを超える場合は構造的な部分も含めて判断できかねので、建て主側で適宜計画して欲しいというものでした。
いわゆる想定内の回答ではあるのですが…(苦笑


さて、なぜこの当時多くの建築物で確認検査済証が無いかというと、確認申請後に現場の都合や施主の要望で適当に変更してまい、設計変更の申請が必要なのにその手続きが面倒だからそのままにするケースが多く、中には床面積などが増えて違法な状況にり検査事態に合格しない場合もありました。
この様な物件は、設計施工のものが多く、特にこのバブル時期の民間建築では相当数実在するものと思います。

ご存じの方も多いと思いますが、このバブル時期には建設ラッシュで、施工会社、職人、建材が不足していて、他業種からの参入もかなりありました。
設計施工の現場では、経験も知識も無い素人の様な現場監督が掛け持ちで現場を見るような状況がざらだったと思います。
この様な現場では、現場の品質についてチェックする体制になく、現場まかせ職人かませで工事は遅れるけど、いつしか突貫工事になり急遽完成したいたというな異常な状況でした。


この「中野の家」もおそらくは同じような現場体制だったのでしょう。
お施主さんが持っている図面と現況はかなり食い違っていました。
そして仕上げを撤去すると、予想以上に杜撰な工事がなされて跡があらわれました。


中野の家

具体例をあげれば、鉄骨のジョイント部分などに錆び止め塗装されいません。
鉄骨建て方後、誰が錆び止め塗装するか決まっていなかったのでしょうね。
鉄骨工場も、現場サイドも調整もなく、責任を持たぬままま仕上げのボードが張られて隠れてしまった…
また1階に浴室がありましたが、驚いたことに内部の仕上げに外壁材のALC板の室内側に直接タイルが貼り付けていました。当然寒いだろうし、タイルは割れ下地に水が吸い込むはずだし…その床も置き床に合板を敷いてタイルを直貼りしていました。こんな稚拙な工事ですから、すぐに水漏れしたようで下地は腐朽し一時期シロアリが出たようです。

中野の家

この様な杜撰な施工や、構造的な変更などは、第三者の工事監理者がいないと、意外と簡単に起きうることになります。
例の耐震偽装以降は確かにこの様なあからさまに不適当な現場は減ったかもしれませんが、それ相応のリスクがあります。
設計施工という体制の場合は、建売住宅でも注文住宅でも第三者がチェックしていないことがリスクとして大なり小なりあり、そこがデメリットと言えるのです。



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からくり時計
有楽町マリオン


先週末にお付き合いのある会社の忘年会に呼ばれて有楽町に行きました。
久しぶりに有楽町マリオンのコンコースをくぐって数寄屋橋方面に出るときにちょうど6時になり、からくり時計が動き出したのに気づいて、しばらく見上げていました。
思い出してみれば、よくこの前で待ち合わせをしました。
今や師走の金曜日だというのにこの前で待ち合わせをしている人は少なく寂しい限りです。
このマリオンに入居する西武百貨店の撤退が決まっていて、この後この素晴らしいデザインの建築はどうなるのだろうと、ふと考えてしました。

有楽町の顔である建築も、このからくり時計もずっと変わらずにあり続けて欲しいものです。



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ドウダンツツジ
ドウダンツツジ

低木の落葉広葉樹です。
私も庭木の植え込みなどによく使います。
5月頃に白色で釣り鐘のような小さく可愛い花をつけます。ツツジの種類としてはちょっと変わっていて紅葉の方が綺麗な品種です。

これだけ大きくてりっぱなドウダンツツジはなかなかお目に掛からないですね。
房総の自然公園内で冬の陽光に輝いていました。



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