建築家・飯沼竹一のブログです。暮らしや住まい、家や建築、街などを通して見聞きしたこと、日々感じたこと、考えたことなどを気儘に手記にしています。四方山話も含めて呑気に続けて行こうと思います。 ご意見ご感想などお願いします。
二つの階段昇降機
ちょうど一年前に、アトリエ24で設計した二つの住宅に階段昇降機を設置しました。

一つは、筆者の実家です。
両親の家ですが、母が頑固で設計者の意見を聞かず、1階に広間、台所と食堂、2階に寝室と茶の間というプラン構成になりました。
60半ばの頃ですから、本来ならば寝室と水場廻りは1階にすべきなのですが、聞く耳を持たなかったので、浴室トイレだけは強引に2階に計画してしまいました。そして、将来に備えてホームエレベーターを増築できる配慮も盛り込みました。
その母が心不全で5年近く闘病を続けてましたが、以外と足腰はしっかりしていたので、ホームエレベーターの増設を先延ばしにしていました。

昨年初めに、体調崩し再入院したときに、主治医から心臓に負担が掛かりすぎるから階段の昇降はさせられないので、1階で生活するか、ホームエレベーターを付けてからでないと退院させれれないと告げられます。
慌てて母に1階で寝起きする生活を説明しましたが受け入れません。エレベーターを付けて欲しいと言われました。しかしエレベーターを設置するには3ヶ月近く掛かることと、本人が早く家に戻りたいということから階段昇降機を提案しました。
母は当初はイメージがつかず不安がってましたが、昇降する様子のビデオを病室で見せたりして納得してもらいました。
でも母の容体は芳しくなく、主治医から身体も心臓も5年たち、それだけ老化していてこれ以上の治療は難しい。覚悟しておいて欲しいと説明がありました。

それでも家に帰りたいという母の希望を適えるために、階段昇降機を設置することにしました。
4社から設置の可否と見積をとり、実家の階段廻りの条件に合うメーカーを選びました。
階段昇降機は直線階段であれば、比較的容易に製作設置できます。それが折れ曲がりのある階段の場合は、椅子を昇降させるレールをカーブにそって曲げる必要があるので、その製作に時間と費用が嵩みます。当然のことながら椅子に座って昇降したときに機械や身体が壁や手すりに当たらない寸法があることが必須条件です。
アトリエ24では階段廻りには余裕を持たせた設計を心がけているので、この点は問題無く設置できました。メーカーに無理を言って3週間で製作、設置してもらいました。

ところが母の容体がますます悪くなり退院自体難しくなりました。
そこで主治医と相談して3時間の外出許可をもらって家に連れて帰りました。
車いすから昇降機椅子に乗り移り2階の茶の間に行けたことにとても満足していました。
昇降機自体も冷たいイメージだったのが意外にそうでもないと喜んでしました。
そして自分が死んだら父には邪魔だからレールごと外すように筆者に依頼しました。
結局この昇降機を利用したのは、その後に桜の咲く頃に外出許可をもらって帰宅した一度になりました。






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テーマ:住まい - ジャンル:ライフ

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